ア ス ニ ア 通 信 1                2005.01(No.79

迎   春

初春のお慶びを申し上げます。
今年もよろしくお願い申し上げます。
                乙酉

 

  大阪市西区(なにわ筋と本町通交差点傍)にある某幼稚園の傍に、大塩平八郎終焉の地をしるした石碑が建っています。約200年前、江戸末期の大坂で起きた“大塩の乱”と聞いても知る方は、現在では少ないと思います。大坂町奉行所の与力を勤めた後、陽明学者である彼は38歳で辞職し、自宅で私塾(洗心洞)を開き学問に打ち込みました。折しも天保の飢饉となり、米不足の時お上と米問屋が結束して米が買い占められました。結果、米は高騰し一時庶民の口に届かなくなりました。

  天保8年(1818)2月19日救民の旗印を掲げ決起した、いわゆる大塩の乱が起きます。大塩が学んだ陽明学の基本精神は『知行一致』で、口だけでなく実践が伴わないといけないと諭してあります。今考えると組織力がバックにあるでなく、義の為だけに立ち上がった大塩の仲間達はすぐにお上によって取り押えられ、大塩親子は1ケ月後に捕まり共に処刑されました。この乱の30年後に日本は明治維新を迎えたのです。この乱は幕末から維新への第一歩であり、新時代を予見させる出来事でした。  

 当時の武士に求められたものは義を重んじ、主君の為に尽くす事でした。とりわけ大事なのは、人が行なうべき事はスジを通すことでした。

 この頃の義というものは国家や主君に対して、そこに属する人達が行なう事であり大義とも言われます。一方正義とは相対的なことで、十人いれば十人の正義があり、信奉しているものにとっては正義でも、他人にとって迷惑や暴力になる場合も含んでいるのです。その大義を最後まで貫いたのが赤穂浪士であり、大塩平八郎でした。義を貫いた男達は大勢いました。人間は日々の営みの中いつしかその精神を忘れ、志は汚れていっても、義を掲げて滅びた人間の志は永遠に残るものです。大塩の義が、歴史上残ったのは飢える人のいない社会を作りたいという夢を果たせずに滅んでいった点にあります。

イラク戦争という大義を考えた時、各国はそれぞれの正義を掲げました。精神がこもらないと、義は廃るのです。アメリカの掲げた大義という傘の中で、1年が過ぎた今渦中のイラク国民はどう受け止めたでしょう。

政治家の大義は何かと昨年1年間考えました。台風後の支援活動、新潟地震後の行政のとった行動を見れば残念でなりません。ただ救いはボランティアをされる方達の無心の活動です。時代が変わり、国賊だった大塩平八郎も、その志が認められて大阪の各地に足跡として幾つかの石碑が建てられました。私塾であった洗心洞は、今大阪造幣局内に石碑が残されています。残念ながら現在は大塩平八郎の名や、石碑に目をやる方は少なくなりました。

『杖下に死す・著者北方謙三』『大塩平八郎の乱・著者大原和男』を参考にしました。

 

歴史散歩 十一面千手千眼観音像(壽宝寺)

 

   京都府京田辺市へはJR学研都市線又は近鉄京都線で入り、JR学研都市線三山木駅又は近鉄京都線三山木駅を降りてから少し東に向かって歩きますと寿宝寺に辿りつきます。気を付けないと見逃すほどひっそりと静かな佇まいです。
 その寿宝寺に十一面千手千眼観音像があります。元国宝で現在は重要文化財になっております。自家用車では大阪方面より枚方市から国道307号線へ、京都・奈良方面ですと国道24号線で京田辺市に入ると便利です。
 
 頭に十一の仏像と身体には千の手を持ち、そのひとつひとつの手の中に眼が描かれてありますので、十一面千手千眼観音像といわれています。

 千年という時代を経て今も、ここに観音像が存在する事自体が素晴らしいと思います。仏像を正面から見ると少し怖い気がしますが、座って下から見上げて眼を観るととても優しいお顔になります。仏師は、そのあたりをキチンと計算されて仏像を彫ったものと思われます。今と昔では信仰対象が違うかもしれませんが、観る人を魅了する美しさを持っています。

 灯(あかり)は昔は貴重品なので、多分本堂に安置されても薄暗い中にあったでしょうが、昔の本堂には天井に灯採りがあり、そこからの月明かりの中で仏像を見ると大変自愛に満ちた眼をしているのです。そのお顔は観る位置や自分の心の有り様によって、優しくも怖くも見えたでしょう。日中に正面から観るとただ怖く思うのはそんなせいかもしれません。

 皆様がお近くでお寺参りをした時には、仏像の前に座って、ゆっくりと時間を過ごしてください。忙しいなら5分でも10分でも座ってみてください。
 お参りされている大抵の方が同じように座られていますし、そんな方へ話し掛けてはいかがでしょうか。そこには一期一会の不思議な会話が生まれます。
 昔の方は宗教がどうこうでなく、又宗派の良し悪しでなくそこに在る物体に素朴に手を合わせただろうと思われます。その場所で手を合わせる事は自然に対する畏怖であり、自然の恩恵に対する感謝であったと思われます。

 日本には十一面観音像として六体の国宝があり、室生寺・法華寺・聖林寺(奈良県)観音寺(京都府)道明寺(大阪府)渡岸寺(滋賀県)にそれぞれあります。
 以前国宝でも今は重要文化財となってしまった十一面観音像も多く、近畿地区には約三百体もの十一面観音像があり、全国各地でも約八百体があるといわれています。有名無名関係なくいずれの仏像も素晴らしく、人の心をなごませてくれます。近くにドライブした時には立ち寄ってご覧頂きたいものです。

その圧倒するような威厳、力強さ、そして慈愛の微笑み、素朴さとそれぞれの仏像がそれぞれの顔と形で、十一面が様々に表現される不思議な魅力の観音像が多いです。

 

コーヒーに含まれる“カフェイン”と“クロロゲン酸

  

好みの喫茶店で飲むコーヒー、休日に一人でゆっくりと飲むコーヒー、食後のコーヒー、友人達との談笑の場で飲むコーヒーなどにはとても安らぎがありますが、最近コーヒ―についての新しい発見がありました。
 それはカフェインだけでなくコーヒーに含まれているクロロゲン酸という抗酸化作用です。

活性酸素を守るSOD作用(抗酸化作用)のある物質(カロテノイド・フラボノイド・ポリフェノール)は、どちらかといえば赤・緑・黄色等濃い色の野菜・豆類・渋みのある食品に多く含まれています。
 コーヒーの
SOD効果(抗酸化作用)はクロロゲン酸がもたらします。クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、コーヒー豆には約7%含まれている事が分かりカフェインと並ぶ主成分となっています。 

漬物類をよく食べるアジア人に多い胃がんの原因とされるニトロソアミンの生成がビタミンCによって抑制される事から、クロロゲン酸にも同じ働きがあるのではと考えて実験したところビタミンCより強い還元作用があることが分かりました。
 また魚を焼く時の焦げ目にできる発ガン性物質、へテロサイクリックアミンの害を抑制する事も判明しました。
 抗酸化作用のある食品は幾つかありますが、集中してそれらを摂るよりも毎日少量ずつでもバランスの取れた食生活をおくる事がまずは重要です。
  

どうやら一杯のコーヒーには安らぎと共に予想外の効能効果があるようです。

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